今回の温泉は2014年に訪れた秋田県湯沢市の旅館「泥湯温泉 奥山旅館」です。
「泥湯温泉」は秋田県の南東部・栗駒国定公園内の深い山間にある温泉で、現在「小椋旅館」と「奥山旅館」の2軒の旅館だけがある温泉地です。
天狗伝説
「泥湯温泉」には天狗にまつわる伝説があり、昔、ある乙女が病に苦しんでおり温泉に浸かりたく思っていたが、湯が透明なため、恥ずかしさのあまり浸かれないでいたところ、天狗が湯を白く濁らせてくれたため、温泉に浸かることができて、病は日ごとに回復し無事に治り、以来泥湯の色は白く濁ったと伝えられているそうです。
そして、「泥湯」の名は、湯の色が濁っていることに由来しています。
「奥山旅館」は2016年に火事で全焼してしまいましたが、2019年に見事、再開をしました。ちなみに「奥山旅館」は「日本秘湯の守る会」の会員宿です。
「泥湯温泉」に向かうまでの道中の脇には噴煙が立ち込めて、硫化水素臭が漂っていて、より一層、秘湯感が増していきます。
立っている看板には「硫化水素ガス噴出 立ち止まり危険」の文字が。
「奥山旅館」は建物がいくつかに分かれており、お風呂がある建物も2つに分かれていて、大露天風呂がある「新湯」と男女別の内湯と混浴露天風呂がある「天狗の湯」と女性専用露天風呂の「川の湯」と3つの温泉があります。
立ち寄り湯で利用できるのは「新湯」と「天狗の湯」です。
プレハブ小屋の入湯券販売所で入浴券を購入して温泉のある建物へ。
この入湯券で「新湯」と「天狗の湯」に入ることが出来ます。
入浴料:大人700円 子供300円
立ち寄り湯の営業時間:10時半~14時半
定休日:年中無休
※大露天風呂は積雪のため、12月~5月下旬休業
入湯券販売所は休憩スペースもあり、軽食や温泉玉子を食べることも出来ます。
「新湯」
味のある建物に入ると男女別の入り口があり、入ると脱衣所があります。
脱衣所は備え付けの棚にいくつかカゴがあるだけで、鍵付きロッカーはありませんので、貴重品は持って行かない方が良いでしょう。
いよいよ温泉へ!
開放感抜群の大露天風呂!
浴室に入ると、目の前に開放感抜群のとても広い大露天風呂があります。
大人20~30人ぐらいは入れる広さで、ちょっとしたプールのようです。
屋根もなく、周りは山々に囲まれいて、とても解放感があり気持ちの良い温泉です。
私は昼間に訪れましたが、夜なら綺麗な星空を見ながら、温泉を楽しめると思います。
泉質は単純温泉ですが、単純温泉とは思えない青みがかった白濁の湯は硫化水素の香りがして、温泉感が非常に強く感じられる湯でした。
また、湯底は砂利で覆われていましたが、少し泥があり、自分の体や壁に塗ることが出来ました。
少し熱めの湯だったので、あまり長湯せずに着替えて、道路向かいにある「天狗の湯」の建物へ。
「天狗の湯」
木造りの脱衣所は「新湯」と同じく備え付けの棚といくつかのカゴしかない簡素なつくりです。
鍵付きロッカーはありませんので注意を。
「天狗の湯」は男女別の内湯と混浴露天風呂があります。
浴室に入り、まずは内湯へ。
浴室は温泉臭が充満しており、テンションが上がります。
内湯は10人ほどが入れる広さのお風呂があり、シャワーもあります。
泉質は酸性・鉄・硫酸塩泉で「新湯」の露天風呂とは違い、茶色がかった湯でほのかに硫黄の香りと鉄の香りがしました。
内湯のドアを開けると混浴露天風呂です。
露天風呂は屋根付きの2段式になった岩造りのお風呂があり、上段のお風呂は少し熱めで下段のお風呂の方が浸かりやすい温度でした。
いずれも大人5~6人サイズで、日によって温度や湯の色が異なるようで、私が訪れた時は茶色がかった湯の色で硫黄の香りがして、温泉感が楽しめました。
個人的には「新湯」の露天風呂の方が広く、温泉感も強く楽しめたので良かったですが、「新湯」「天狗の湯」どちらも良い湯であることは間違いありません。
「泥湯温泉」の近くには日本三大霊地のひとつ「川原毛地獄」があり、さらには温泉が滝となって流れ落ちてくる天然の露天風呂「川原毛大湯滝」があります。
交通アクセス
🚃JR湯沢駅からタクシー「こまちシャトル」(片道2000円)で約45分
🚙東北自動車道・古川ICから約2時間40分、湯沢横手道路・須川ICから約25分
※冬季は雪のため、通行禁止になる道があります。
🅿約20台(無料)