今回の温泉は2010年に訪れた群馬県中之条町の旅館「四万温泉 積善館(せきぜんかん)」です。
「四万温泉」は「四万(よんまん)の病に効く」と言われるほど、効能豊かな温泉として古くから知られています。
「積善館」は創業元禄七年(1694年)と約300年あまりの歴史を持つ老舗旅館です。
創業当時から湯治宿として賑わい、温泉が素晴らしいのはもちろん、建物も趣があり、多くの人から愛されている温泉です。
歴史ある建築物
建物は3つ(本館・山荘・佳松亭)に分かれていて、「本館」は日本最古の木造湯治建築で群馬県の重要文化財に指定され、「山荘」は国の登録有形文化財、群馬県近代化遺産に指定されています。
旅館の前を流れる新湯川に架かる慶雲橋は赤い欄干で建物の雰囲気と相まって、とても絵になる光景です。
建物に入ると帳場があるので、立ち寄り湯の利用する旨を伝え、入浴料を支払います。
入浴料:
大人1500円(フェイスタオル・歯ブラシ付) 小人(3歳~12歳)1100円(フェイスタオル付) 2歳以下は無料
立ち寄り湯の営業時間:平日10時~16時(17時まで入浴可)
土日祝10時~15時(16時まで入浴可)
※13時~13時40分は清掃のため利用できません。
「積善館」には5つの浴場がありますが、立ち寄り湯で利用できるのは「元禄の湯」と「岩風呂」になります。私は「元禄の湯」だけを利用しました。
玄関から「元禄の間」を通り、浴場の入口へ。
浴場の入り口手前には「飲泉所」があります。
入り口前に下駄箱があるので靴を入れ、中へ。
扉を開けると・・・。
美しすぎる浴室「元禄の湯」
いきなり、目の前には大正ロマンの雰囲気、あるいは古代ヨーロッパような雰囲気の幻想的な優美な雰囲気の浴室が広がっています!
天井は高く、アーチ型の大きな窓から注がれる光が浴室内をキラキラと降り注ぎ、5つの石造りの浴槽の水面に反射し、とても美しく、その美しさに感動をしました!
脱衣所は入口すぐの左右の壁側にあります。
浴場との仕切りはなく、棚にカゴがあるだけのシンプルなつくりです。
いざ温泉へ!
浴室には5つの浴槽が綺麗に並んでいます。
入口手前の浴槽は4~5人サイズで、他の4つの浴槽は2人サイズになっています。
湯は蛇口から注がれているのではなく、湯底の底から湧き出ており、新鮮な源泉かけ流しの温泉が浴槽からオーバーフローして、床が湯に浸っていました。
蛇口には温泉の析出物が固まっていました。
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物硫酸塩泉。
なめらかでやわらかく、気持ちの良い温泉です。
浴室の奥には温泉の蒸気を利用した「蒸湯」があります。
「蒸湯」の中は暗く、一人分のタイル張りの腰掛けがあります。
「蒸湯」に入っていると、どこか異世界に行くような感覚になりました。
ノスタルジックな雰囲気の中で温泉に浸かりながら、至極の時間を過ごせました。
交通アクセス
🚃JR吾妻線・中之条駅からバスで約40分もしくはタクシーで約20分
🚙関越自動車道・渋川伊香保ICから約50分、または上信越自動車道・上田菅平ICから約2時間15分
🅿50台(無料)