今回の温泉は2014年に宿泊した兵庫県姫路市の旅館「塩田温泉 上山旅館」です。
2回に分けて記します。
姫路播磨の奥座敷
「塩田温泉」は全国的にはあまり知られていない温泉ですが、姫路播磨の奥座敷と呼ばれ、周辺の山林も含めた敷地面積約2万坪の広い庭園には「塩田温泉薬師堂」、「目治し地蔵」、先述の赤い橋が架かる池やヤマツツジ林、竹林などがあり、まるで森の中にいるようで、日常生活とは違う時の流れで過ごすことができます。
「塩田温泉 上山旅館」の歴史
「塩田温泉」の発見は古く、奈良時代と言われ、湯治場としての歴史も約300年あります。明治時代になり、「塩田温泉」の開発が進められ、明治7年に「上山旅館」が創業します。明治18年には村営の共同浴場が出来ますが、大正2年にその経営を「上山旅館」が引き継ぎました。戦後、近隣に新たな源泉も生み出され、「塩田温泉」は「塩田温泉郷」となりました。
その後も多くの人が訪れ、賑わいましたが、阪神淡路大震災や施設の老朽化などで、最盛期には5軒あった旅館は「上山旅館」を含め、現在は2軒だけになり、現在に至ります。
駐車場に車を停めて、赤い橋が架かる大きな池の横を通り、建物に入ります。
館内は非常に趣のある雰囲気で、非日常感を感じられます。
部屋は東館の和室で、窓からは旅館の前にある池や対岸の庭園などが見渡せました。
部屋で一旦休憩し、早速、温泉に向かいます。
「塩田温泉 上山旅館」には「檜風呂」と「庭園風呂」の2つの大浴場と「野天風呂」、「野天家族風呂」があります。
入浴のみの立ち寄り湯の営業はしておらず、食事付きの日帰りプランもしくは宿泊をしないと温泉を利用できません。
まずは大浴場(檜風呂)へ。
脱衣所は清潔感があり綺麗です。棚に置いてあるカゴに荷物を入れます。
いざ温泉へ!
浴室は名前の通り、天然の檜が浴槽などに使われ、檜の香りが広がっています。
大人3~4人サイズの浴槽があり、注がれている湯は源泉掛け流しではなく、循環濾過・消毒ありの温泉です。
泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。
泉温17℃の「源泉風呂」
訪れた当時はもう一つの浴場「庭園風呂」にしかなかったと思うのですが、現在は2つの浴場に源泉掛け流しの温泉が楽しめる「源泉風呂」があります。泉温が17℃と低いので主浴槽との温冷交互浴が可能です。冬場は冷たくて浸かれないので、蛇口からお湯が足せるようになっています。
「庭園風呂」
もう一つの浴場「庭園風呂」はこんな感じです。
会席料理「四季会席」
温泉を楽しんだ後は食事です。
食事は温泉が使われた「温泉鍋」にお造りや揚げ物、あまごの塩焼きなどが一通り楽しめる会席料理で、美味しいことはもちろん、ボリュームもあり、大満足の料理でした。
食事の後、一旦部屋へ戻り、少し休憩をしてから、「野天家族風呂」へ行きました。
広い庭園を抜けて・・・
「野天家族風呂」と「野天風呂」は建物から離れた場所にあり、森のような広い庭園を抜けて行きます。
訪れた時は春で新緑がとても綺麗でしたが、秋になると紅葉が楽しめます。
贅沢なプライベート空間
「野天家族風呂」は宿泊者専用の貸切風呂となっていて、7時半~21時まで空いていれば、無料で利用できます。時間制限もありません。
入り口に「入浴中」の札を掛けて、内側からカギを閉めます。
中へ入ると、檜造りの浴槽があるだけのプライベート空間が広がっています。
周囲はとても静かで、ゆったりとした時の流れの中で温泉時間を過ごせます。
湯は源泉掛け流しではなく、循環の温泉ですが、絶えず注がれていて、湯の音を聞きながら、のんびりと温泉に浸かり、贅沢なひとときを過ごしました。
後編へ続く。
交通アクセス
🚃JR山陽新幹線・姫路駅からバスで約35分
🚙中国自動車道・夢前スマートICから約5分もしくは山陽自動車道・姫路西ICから約25分
🅿50台(無料)