今回の温泉は2010年に宿泊した群馬県吾妻郡嬬恋村の旅館「万座温泉 湯の花旅館」です。
「万座温泉」は標高1800mに位置する日本一高い温泉地で、上信越高原国立公園内の中にある温泉郷です。
万座温泉の歴史
万座温泉の歴史は古く、坂上田村麻呂が万座温泉で鬼退治をしたという伝説が残っています。
記録としては1562年に豪族・羽尾入道が入湯と記されています。明治時代に入り、宿が建ち始め、昭和30年代にはスキー場ができ、温泉地として賑わっていき、現在に至ります。ちなみに万座温泉スキー場は映画「私をスキーに連れてって」の撮影地になっています。
夕方頃、現地に到着し、駐車場に車を停めます。駐車場は旅館から約200m離れたところにあります。駐車場からは歩いて旅館まで行くことになりますが、訪れたのが3月下旬頃で雪がまだまだ多かったので、駐車場からスノーモービルに乗せてもらい、旅館の玄関まで行きました。
スノーモービルは2台あり、旅館の方が運転し、後ろに乗せてもらい旅館まで行きます。約1~2分という短い時間ですが、けっこうスピードが出て、ちょっとしたアトラクションのような感じです。
雪の中の旅館。とても良い感じです。
建物に入り、帳場でチェックインの手続きをします。今回は自分たちで食材を持ち込み、自炊プランで宿泊です。
玄関ロビーは広く、スキー板をかけるスペースやベンチ、囲炉裏などがあり、熊の毛皮や山の動物の剥製が多く飾られています。
木造の館内は良い意味で鄙びていて、湯治場の空気感が漂っていて、秘湯感が溢れまくっています。
「湯の花旅館」の温泉は立ち寄り湯の利用も可能です。
入浴料:大人700円 子供500円
立ち寄り湯の営業時間:9時~16時
定休日:年中無休
食事をした後、温泉へ。
「湯の花旅館」には内湯の「延寿の湯」と混浴露天風呂の「月見岩露天風呂」があります。
入り口前には「猿茸大明神」の祀られた祠があります。
脱衣所は棚にカゴが置いてあるだけの簡素なつくりです。
内風呂「延寿の湯」へ
浴室に入った瞬間、その鄙びた造り、雰囲気に思わず笑みがこぼれます。
総木造の浴室は湯治場の良い雰囲気が滲み出ていて、その雰囲気だけでも十分に楽しめます。
木造の浴槽は大人4~5人サイズで白濁したお湯が注がれています。
早速、掛湯をして温泉に体を沈めます。沈めると同時に底に沈殿していた湯の花が舞い、より温泉を白濁していきます。
お湯は熱めで、じんじんと体に染みわたります。非常に温泉のパワーを感じます。
お湯からは硫黄の香りを強く感じられ、これぞ温泉!という感じです。
泉質は酸性-含硫黄-マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
もちろん、源泉掛け流しの温泉です。
「さるのこしかけ風呂」
「湯の花旅館」と言えば、日本で唯一、霊芝サルノコシカケを楽しめる温泉で、浴槽の脇には源泉を適温に下げる役割をしている木の枡があり、その中に大きなサルノコシカケとマツフジの蔓が入っていて、温泉でふやけて、そのエキスが温泉と一緒に浴槽に注がれています。
温泉だけでも十分に効能がありそうなのに、非常に貴重なサルノコシカケのエキスがさらにプラスされ、温泉のパワーが倍増です。
月見岩露天風呂へ
露天風呂は大人8~10人サイズの岩風呂で、周りに囲いがなく、とても開放感があります。
先述の通り、訪れた日は雪が積もっていたので、雪見露天風呂となっていました。
内湯同様、白濁した湯が注がれていて、硫黄の香りが強い温泉です。
内湯よりも湯の花が多く感じられ、お湯に浸かると、もわもわっと湯の花が舞い、より温泉を濃くします。
お湯はやや熱めでしたが、外気温が低かったため、熱すぎず、非常に気持ち良く温泉を楽しめました。
朝の静けさの中で
翌朝、朝食の前に露天風呂で温泉を楽しみました。
お湯が流れているところが湯の花で真っ白になっています。
昨晩は暗くて見えなかった遠くの山々の景色を見ながらの温泉は最高の一言。
目の前に広がる雪景色を見ながら、朝の静かな時の流れの中で過ごす温泉時間はとても贅沢なひとときでした。
万座温泉 豊国館もおすすめ!
交通アクセス
🚃JR吾妻線万座・鹿沢口駅から西武高原バスで約40分もしくは長野新幹線・軽井沢駅からバスで約20分
🅿30台(無料)
価格:1650円 |