8つ目に訪れた温泉は奈良県吉野郡吉野町の旅館「吉野温泉元湯」です。
7つ目に訪れた「湯泉地温泉 公衆浴場 滝の湯」からは車で約2時間かけて行きました。
前回の「湯泉地温泉 公衆浴場 滝の湯」の記事はこちら。
島崎藤村ゆかりの宿
「吉野温泉元湯」は約300年前に開湯した温泉で、「千本桜」で有名な吉野山にあり、島崎藤村ゆかりの宿として知られています。島崎藤村が訪れたのは明治26年(1893年)22歳の時でちょうど桜の時期に逗留しました。旅館には島崎藤村が滞在していた部屋が当時のまま残されています。
「吉野温泉元湯」は市街地から近鉄・吉野駅を過ぎて、さらに細い山道を進んだ山奥にあります。途中の道には野生の鹿がいたり、近づけば近づくほど、秘湯感が増して、期待感が高まります。
旅館の前の道を挟んだ駐車場に車を停めて、建物に向かいます。
敷地に入ると、空気ががらりと変わり、非常に趣のある良い雰囲気が漂います。
特に玄関までのアプローチはとても風情があり、非日常の世界へ誘われる感覚になります。
ひっそり佇むその外観は隠れ家的な趣きがあり、静かに過ごしたい方にはおすすめの旅館です。
中へ入り、玄関で靴を脱いで、すぐ横の帳場で入浴料を支払います。
「吉野温泉元湯」の立ち寄り湯は予約制になっていて、事前に電話で予約をしなければなりません。ですが、それほど厳密には行っていないようで、前日に電話で確認をすると、「いつでも良いですよ、大丈夫ですよ~。」と快く答えてくれました。
入浴料(貸しフェイスタオル付):大人・小人ともに800円
立ち寄り湯の営業時間:11時~15時
定休日:年中無休
※4月~5月のGW期間中は立ち寄り湯の営業は休止
浴室は帳場の前の階段を下りた先にあります。
階段を下りていくと、休憩ロビーがあり、スリッパを履いてさらに奥へ。
休憩ロビーには自販機やウォーターサーバーやベンチがあり、湯上がり後もゆっくりと休憩が可能。
脱衣所は広く、棚にカゴがあるだけの簡素なつくり。
他に利用客がいなくて貸切状態です。
いざ温泉へ!
浴室は内湯のみで、左側に洗い場、右側に大人4~5人サイズの浴槽があるだけです。
浴槽の縁や壁には温泉の析出物が付着していて、温泉成分の濃さが感じられます。
よく見ると、壁側の石の上にはカエルの置物が。
早速、掛湯をして温泉に体を沈めます。
お湯は鉄分が多い泉質なのではじめは透明で酸化し、茶褐色になっていくのですが、鮮度が良く、酸化しきっていないのか、やや緑がかった茶褐色の足元が見えないぐらいの濁り湯です。
湯底には温泉成分が沈殿していて、体を沈めるとフワッと舞い上がり、よりお湯の色を濃くしていきます。
湯口付近は無数の気泡が確認でき、炭酸ガスが含まれているのがわかります。
やや温めの適温で長湯が可能。体の芯から温まる良いお湯で、鉄の香りが強くて、温泉感もたっぷり。
加温はされていますが、源泉掛け流しの温泉で泉質は含二酸化炭素-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉(低張性・中性・冷鉱泉)
まるで絵画のような庭園
露天風呂はありませんが、全面ガラス窓になっていて、窓の外には池や滝があり、苔むした風情ある日本庭園が望めます。
それはまるで絵画のようで露天というか、自然の中で温泉に浸かっているかのよう。
訪れた日は小雨が降っていたので、より風情が増し、幻想的な空気感が漂います。
その風景を見ているだけで気持ちが癒され、心が穏やかになります。
日本庭園を望みながら、落ち着いた雰囲気の中でまったりと温泉時間を過ごしました。
「吉野温泉元湯」は秘湯感たっぷりの旅館で、今回は立ち寄り湯で利用しましたが、建物全体、温泉の雰囲気が素晴らしく、次回はぜひ宿泊して、ゆっくりと過ごしてみたいと思えるほど良かったです。
次回はいよいよ、この温泉巡りの旅最後の温泉です。
次の温泉の記事はこちら。
交通アクセス
🚙南阪奈道路・葛城ICから約40分
🅿約10台(無料)
価格:1650円 |
価格:1030円 |