今回の温泉は2023年に訪れた岡山県加賀郡吉備中央町の温泉旅館「湯の瀬温泉 藤井旅館」です。
「湯の瀬温泉 藤井旅館」は大正10年創業の老舗旅館で、宿泊はもちろん、立ち寄り湯の利用が出来ます。また、旅館のそばを流れる豊岡川を挟んだところにはキャンプ場もあり、キャンプ場利用者も温泉を利用することができます。
山道を走り抜け、小さい集落に入ると、「湯の瀬温泉」と「営業中」の看板が見えてきます。
「営業中」の看板がなければ、本当に営業しているのかわからないほど、とても静かです。
玄関でスリッパに履き替え、中に入りますが、誰もいません。人の気配もありません。
もしかして、休み!?と思いながら、せっかく来たので、諦めきれず、何度か「すみませ~ん」と言うと、奥からとても愛想の良いおばあちゃんが出てきました。
立ち寄り湯の利用する旨を伝え、おばあちゃんに入浴料を支払います。
入浴料:大人700円 小人400円
立ち寄り湯の営業時間:10時~19時
定休日:毎週火・水曜日
レトロな雰囲気のロビーを通り・・・
けっこう急な階段を下りていきます。
源泉が宿の横を流れる豊岡川の川底にあることから、浴場は地下にあります。
廊下の突き当りに浴場の入り口があります。
脱衣所は2~3人利用すれば、手狭な広さです。
100円返却式のロッカーがあります。
浴室への階段を上がり、戸を開けて・・・
いざ温泉へ!
浴室に入ると、硫黄の香りがしています。
浴室には大人2~3人サイズの浴槽があるだけのシンプルなつくりです。
浴室の天井と壁はログハウスのような造りになっていて、浴槽は石板造りになっています。
浴槽は大きな窓に面していますが、目隠しがされていて、景色はあまり望めませんが、浴室内は薄暗く、それがより秘湯感を醸し出しています。
浴槽の右端に湯口がありますが、湯は出ておらず、浴槽の左側に水栓があり蛇口をひねると、加温された源泉と、非加温の源泉が出てきます。
湯は浴槽に溜まっている状態なので、蛇口をひねり、非加温の源泉を出して、源泉掛け流し状態にして、温泉を楽しみます。
ゆっくりと体を温泉に沈めると、湯は浴槽から切り欠きから流れ出ていきます。
源泉温度約28℃の湯を流しているので、少し温めになって、心地よく、気持ちの良い湯です。そして、湯からは硫黄の香りが漂い、白い湯の花も舞っていて、温泉の質の良さが感じられます。
とても滑らかで、ヌルヌルとしたとろみがあり、化粧水のようです。肌をさすると、つるつるとし、美肌効果が高い温泉です。
静寂の中で、心地よい温泉に浸かっていると、心の波が静まり、心身ともに癒されます。
建物を含め宿全体が鄙びた雰囲気で、それがとても良く、日常の喧騒から離れて、一日過ごしたいと思えるほど良い隠れ家的な温泉でした。
帰りに再び、おばあちゃんに挨拶をしました。
何度も「ありがとう。また来てな。」と言われながら、宿を後にしました。
交通アクセス
🚙岡山自動車道・賀陽ICから約30分
🅿20台(無料)