今回の温泉は2020年に訪れた兵庫県豊岡市の共同浴場「城崎温泉 鴻の湯(こうのゆ)」です。
城崎温泉の歴史
城崎温泉は関西有数の温泉地で、奈良時代以来約1300年の歴史があります。
717年に城崎へ来た僧侶・道智上人(どうちしょうにん)が鎮守・四所明神の神託により、難病の人々を救うために千日間の修行を経て、720年に温泉が湧き出しました。以来、多くの文豪や観光客が訪れ、その魅力は今なお続いています。
情緒ある温泉街
城崎温泉と言えば「外湯めぐり」があります。
城崎温泉では旅館の中にある温泉のことを「内湯」、外にある共同浴場のことを「外湯」と言い、7つある共同浴場をめぐる「外湯めぐり」は旅の楽しみとなっています。温泉街の旅館に宿泊すると無料で「外湯めぐり」ができます。
城崎温泉を流れる川沿いには美しい柳並木があり、風情があります。夜になるとほのかな灯りが幻想的な雰囲気を醸し出し、浴衣姿で下駄を鳴らしながら歩くと、温泉情緒に包まれる気がします。
「鴻の湯」は城崎温泉街からは少し離れた場所にあり、城崎温泉の外湯の中で最も歴史ある共同浴場です。先述の通り、城崎温泉は約1300年の歴史がありますが、「鴻の湯」はそれよりもさらに古く、約1400年前にコウノトリが傷を癒していたことから源泉が発見されたと伝えられています。
また、「外湯」の中でも最も源泉に近い共同浴場でもあります。
建物に入り、券売機で入浴券を購入し、受付で渡して中へ。
入浴料:大人(中学生以上)800円 小人(3歳~小学生)300円
営業時間:7時~23時
定休日:毎週火曜日
脱衣所は清潔感があり、無料鍵付きロッカーが完備されています。
いざ温泉へ!
内湯に大きな窓に面して大人10~12サイズのタイル張りの台形の形をした浴槽があります。
掛湯をして、湯に浸かるとじんわりと、少し熱めの湯が体に染みわたります。
湯は透明でべたつきを感じさせないすべすべとした浴感の温泉です。
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉。
源泉掛け流しではなく、循環式・消毒ありの湯で少々、消毒臭が気になりました。
体が温まったところで露天風呂へ。
風情ある露天風呂へ
露天風呂は大人10人サイズの大きな石を配した岩風呂で、庭園のようになっています。季節ごとに変わる景色を楽しみながら、とても静かで落ち着いた雰囲気の中で、心地よい時間を過ごせました。
温泉だけでなく絶景も!
「鴻の湯」の周辺には「城崎ロープウェイ」の乗り場があり、大師山の山頂へ向かうことができます。山頂からはミシュラングリーンガイドにも評価された城崎温泉の街並みや、遠くに広がる日本海を望む素晴らしい景色が広がっています。
「鴻の湯」は歴史ある城崎温泉の中で最も古い共同浴場で、その風情ある建物と共に、静かで落ち着いた雰囲気が非日常感を醸し出し、心身ともに癒されます。
城崎温泉は温泉だけでなく、その周辺の自然や歴史的な要素も同時に楽しめる温泉地です。
交通アクセス
🚃JR城崎温泉駅から徒歩約15分
🅿19台(温泉利用者は1時間無料)