今回の温泉は2024年に訪れた大分県別府市の共同浴場「亀川筋湯温泉」です。
別府市内には渋い共同浴場が数多くありますが、「亀川筋湯温泉」もその渋い温泉のひとつです。
道路に面した場所にある「亀川筋湯温泉」。外観は倉庫のよう。
建物の壁には「筋湯」の説明看板があります。
簡素なつくりの建物に近づくと、中央に「御賽銭箱」があります。
「亀川筋湯温泉」はお賽銭が入浴料の代わりになります。
入浴料:お賽銭(100円ぐらい?)
営業時間:7時~19時
定休日:年中無休
すぐ横にある入り口から中へ入ります。扉にはアコーディオンカーテンが使われています。このアコーディオンカーテン一枚が外との境界線になっています。
浴室側から見た入り口。中へ入るとすぐ浴室です。ほぼ外です。
脱衣所と浴室の一体型の形ですが、脱衣所のスペースは非常に狭く、ほぼほぼ浴槽です。
一応、簡素な棚があり、下にはスノコが敷かれていますが、油断をすると、浴槽の方に荷物が落ち、濡れてしまう可能性が高いほど狭いです。
いざ温泉へ!
狭い浴室には浴槽の底が木張りになっているコンクリート造りの浴槽があるだけです。シャワーはもちろん、カラン、水道の蛇口すらありません。湯が熱い場合でも加水が出来ません。
大人2~3人サイズの小さな浴槽には、透明の湯が注がれ、浴槽から溢れ出ています。
早速、掛湯をして、湯に体を沈めます。
別府の温泉なので、めっちゃ熱いと思いきや、ぬるめで浸かりやすい。
先客として来ていたおじいちゃん曰く、最近ずっとぬるいそうです。
おじいちゃん曰く、以前はもっと熱い湯でなかなか浸かれなかったとのことです。
湯はもちろん、源泉掛け流し。やわらかく、クセがなく非常に浸かりやすい温泉。
泉質は単純温泉。
異世界へいざなう温泉!?
アコーディオンカーテンや壁の外にはすぐ道路や民家があるので、様々な音が聞こえてくるので、落ち着いて温泉。という訳にはいきません。
湯に浸かると、ちょうど頭付近の高さが道路と同じ高さになるので、目を瞑っていると耳のそばで車が走っている感じがします。
ぬるい湯にしばらく浸かっていると、入り口のアコーディオンカーテンを境として、時間の流れが異なるような感じになり、コンクリートの打ちっぱなしの壁を見ていると、何だか浴室全体が小さな隠し部屋のように見えてきて、温泉に浸かっているのが不思議な感じになってきます。ある意味「非日常」を体験できる温泉なのかもしれません。
「亀川筋湯温泉」は本格派共同浴場で、その鄙びた雰囲気、ほぼ浴槽しかないその広さ、味気ない浴室、なのに源泉掛け流しの温泉がお賽銭で楽しめるという、一度その湯に浸かると不思議な魅力にはまってしまう温泉です。
交通アクセス
🚙東九州自動車道・別府ICから約15分
🅿専用の駐車場はないので、近隣のパーキングを利用