今回の温泉は2014年に訪れた秋田県鹿角市の旅館「後生掛温泉」です。
「後生掛温泉」は標高約1000mの秋田県十和田八幡平国立公園内にあり、周囲をブナの原生林に囲まれた、開湯約300年の歴史がある温泉です。
「馬で来て 足駄で帰る 後生掛」
「心身の不調から馬の背に揺られて来た人も、しばし湯に浸かり療養すれば、帰りは足駄(高下駄)を履いて山道を下るほど平癒する」と詠まれるほど、後生掛の湯が諸病に効能があるとして、古くから多くの人たちが湯治に訪れています。現在でも通常の旅館としての宿泊だけでなく、湯治部があり、長期滞在が可能です。
多彩な温泉が楽しめる!
立ち寄り湯で利用できる「後生掛大浴場」には多彩な7つの湯があり、それだけでなく、地熱を利用した「オンドル処もえぎ」や、宿泊者専用の「ぶなの湯」があり、日帰りでは時間が足りないぐらい充実した施設となっています。
「後生掛温泉」の看板の向こうにある建物が湯煙で霞んでいます。
駐車場に車を停めて、坂道を下りていくと、立ち寄り湯の受付があります。
受付で入浴料を支払います。
入浴料:大人800円 小人400円
※オンドル利用料:入浴料プラス1800円
立ち寄り湯の営業時間:10時半~15時
定休日:毎週火曜日
靴を下駄箱に置き、スリッパに履き替え、中へ。
大浴場へは長い廊下を進みます。階段を下りると男女別の入り口が出てきます。
脱衣所はそれほど広くなく、棚に脱衣カゴがあります。
貴重品は入り口付近にある貴重品ロッカーに。
いざ温泉へ!
浴室は天井が高く、山小屋をモチーフにしたという総木造になっています。
浴室に入ると、硫黄の香りが充満しています。硫黄の香りがするだけでテンションが上がります!
先述の通り、7つの温泉が楽しめ、すべて源泉掛け流しの温泉です。
①泥湯&②打たせ湯
浴室に入って、すぐ左側に「泥湯」と「打たせ湯」があります。
「泥湯」は温湿布効果と美肌効果があり、ドロドロとした泥を手に取って肌になじませます。湯の温度が温めなのでじっくりと浸かれます。しかし、温泉成分が濃い泥のため、いきなり長い時間はしない方が良いと思います。
「打たせ湯」は湯量豊富な温泉が流れ落ちてくるので、マッサージ効果が期待できます。「泥湯」で付着した泥を落とすにはちょうど良い湯です。
③名物「箱蒸し風呂」
浴室に入って、すぐ右側には「箱蒸し風呂」という「後生掛け温泉」伝統の入浴法が体験できます。頭だけを出した状態で箱の中に入ります。
中は温泉蒸気が噴き出していて、首から下だけ蒸し風呂状態になり、気持ち良く汗をかけます。短時間で体が温まり、ポタポタと汗が流れ落ちるほどでした。
④蒸気サウナ
「箱蒸し風呂」の隣には「蒸気サウナ」があり、天然の温泉蒸気を利用したサウナになっています。全身で温泉蒸気を感じたい方はこちらがおすすめです。
⑤神経痛の湯
浴室の中央にある大きな浴槽は「神経痛の湯」と言い、泥成分により、乳白色になっています。湯口からは、湯量豊富な温泉がなみなみと注がれ、常時、浴槽から湯が溢れ出ています。
泉質は単純硫黄泉(低張性・弱酸性・高温泉)
⑥火山風呂
「神経痛の湯」の横には、ボコボコと激しい気泡が噴き出している「火山風呂」があります。「火山風呂」という名とは裏腹の少し温めの湯です。
激しく泡が噴き出しているので、浸かっていると、顔に湯がかかりまくりです。
⑦露天風呂
浴室の一番奥にあるのが「露天風呂」です。それほど広くありませんが、温泉で火照った体を冷やすには心地よい風が吹き抜け、とても気持ちが良いです。
温めなので、ゆっくりと温泉が楽しめます。
一通り温泉を楽しみ、硫黄の香りたっぷりの「神経痛の湯」にゆっくりと浸かりながら、至極の時を過ごしました。
泉質の良さは当然ながら、それほど広くない浴場で、様々な形で温泉が楽しめ、また訪れたい素晴らしい温泉でした。
交通アクセス
🚃JR田沢湖駅からバス等で約2時間
🚙東北自動車道・松尾八幡平ICからアスピーテライン経由で約1時間または、東北自動車道・鹿角八幡平ICからアスピーテライン経由で約45分
🛫秋田空港からバスで約2時間
🅿30台(無料)