今回の温泉は2022年に訪れた兵庫県宝塚市の日帰り温泉施設「ナチュールスパ宝塚」です。
宝塚温泉の歴史
「ナチュールスパ宝塚」が泉源としている宝塚温泉の歴史は古く、約800年前、鎌倉時代にはその存在が知られています。その後、本格的に温泉地として開かれたのは明治時代中期になってからで、1887年(明治20年)に「宝塚温泉」が開業します。
大正時代には宝塚歌劇の始まりである少女歌劇が創設され、非常に賑わい、一時は50軒以上の旅館や土産物店などが立ち並ぶなど一大温泉地として栄えました。最盛期の1970年(昭和45年)には約130万人が訪れました。その後、温泉街はマンション開発や阪神淡路大震災の影響で旅館数は減少し、現在、宝塚温泉の泉源としているのは「ナチュールスパ宝塚」「ホテル若水」「宝塚ワシントンホテル」の3施設だけとなっています。
今でも温泉が!
そばを流れる武庫川では今でも川底からプクプクと湯が湧き出ているのが確認できます。場所は「ホテル若水」の建物裏あたりです。
「ナチュールスパ宝塚」は温泉だけでなく、岩盤浴やフィットネスやボディケアなどの施設も備えた気軽に楽しめる日帰り温泉施設です。
地上5階、地下1階のコンクリート打ちっぱなしの外観が特徴の建物は建築家・安藤忠雄さんの設計です。
施設内にはフィットネスクラブ(地下1階)、総合受付と休憩スペース(1階)、女性専用の温泉・スパプール(2階)、男性専用の温泉と男女共用岩盤浴室(3階)、男女共用(水着着用)の露天ジャグジーと女性専用の岩盤浴室(4階)、女性専用のエステサロン(5階)があります。
「ウィルキンソン」は宝塚生まれ!
炭酸水「ウィルキンソン」は宝塚で生まれました。1889年、イギリス人のジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏が宝塚で優良な炭酸鉱泉を発見し、これを瓶詰めにして販売したのが始まりです。
「ナチュールスパ宝塚」の建物の横には「宝塚温泉」の歴史とともに、炭酸水「ウィルキンソン」の紹介がされています。また、看板の横には「ウィルキンソン」しか販売されていない自動販売機があります。
建物に入り、靴箱に靴を入れて券売機で入浴券を購入し、総合受付で入浴券と靴箱のカギを渡します。女性用の設備が充実しているため、男性と女性の利用料が異なります。
指定されたロッカーのカギとフェイスタオルとバスタオルを受け取り、エレベーターで温泉がある3階へ向かいます。
入浴料(フェイスタオル・バスタオル付):
男性840円 女性1040円 小学生530円 未就学児無料
※岩盤浴はプラス610円
営業時間:温泉・スパプール 平日9時半~22時 土日祝9時半~21時
岩盤浴 平日9時半~21時 土日祝9時半~20時
定休日:毎週木曜日
エレベーターを出て進むと脱衣所があります。ここは脱衣所というよりロッカールームと呼ぶ方が適切です。
ロッカールーム内は非常に綺麗で清潔感があります。ロッカーは縦長のタイプなので使いやすいです。
2種類の温泉が楽しめる!
浴室には露天風呂はなく、2種類の内湯だけがあります。
一つは「金宝泉」
有馬温泉の金泉のような茶褐色の湯が注がれている大人5~6人サイズの台形の形をした浴槽で「金宝泉」と呼ばれています。
源泉掛け流しではなく、源泉を5倍に薄めた循環式の温泉です。
泉質は含弱放射能・ナトリウム・塩化物泉(等張性・中性・冷鉱泉)
有馬温泉の金泉を彷彿とさせる色合いの湯は源泉掛け流しではないにも関わらず、5倍に薄められているとはいえ、鉄の香りが漂い、温泉感を強く感じられます。
「金宝泉」にゆっくりと浸かり、その後「銀宝泉」移動します。
もう一つは「銀宝泉」
源泉を濾過して鉄分を取り除いた透明の湯が注がれている大人12~15人サイズの扇形の浴槽で「銀宝泉」と呼ばれています。
泉質はナトリウム・塩化物泉(高張性・中性・冷鉱泉
「銀宝泉」は鉄分がないので、温泉感はあまり感じられませんが、泉質的には物足りなさを感じることなく、体への負担が軽い、非常に浸かりやすい温泉です。
浴槽も広々としており、周りを気にせずに、リラックスして温泉を楽しむことができます。
少し熱めの「金宝泉」と浸かりやすい「銀宝泉」を交互に行き来しながら、たっぷりと温泉を堪能しました。
源泉掛け流しの温泉ではないものの、手ぶらで気軽に有馬温泉のような2つの異なる温泉が楽しめ、塩化物泉のおかげで、温泉から出た後も体がポカポカして気持ちの良いひと時でした。
宝塚の街並みを望みながら
私は利用しませんでしたが、4階にある「露天ジャグジー」では宝塚の街並みを望む開放感あるジャグジー風呂が楽しめます。
交通アクセス
🚃JR福知山線・宝塚駅から徒歩約4分、阪急宝塚線・宝塚駅から徒歩約3分
🚙中国自動車道・宝塚ICから約5分
🅿6台(2時間無料、以降1時間ごとに¥260)