今回の温泉は2017年に訪れた和歌山県田辺市の「湯の峰温泉 つぼ湯」です。
湯の峰温泉の歴史
湯の峰温泉の歴史は古く、開湯は何と1800年前(!)と言われています。
4世紀頃に熊野の国造「大阿刀足尼(おおあとのすくね)」によって発見され、その後、歴代上皇の熊野行幸によって、その名が広く知られるようになります。
古くは熊野詣の湯垢離場として賑わい、参拝者たちが湯の峰温泉で身を清め、旅の疲れを癒していました。
そして、今も温泉情緒のある温泉街として、多くの人たちが訪れています。
世界遺産の温泉!
「湯の峰温泉 つぼ湯」は「湯の峰温泉」の中心に位置し、「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する資産の一部として世界遺産に登録されています。しかも、世界遺産で唯一入浴できる貴重な温泉です。
駐車場は温泉街の入り口にあり、しかも無料で利用できます。
駐車場に車を停めて、降りると、すでに硫黄の香りが漂っています。
温泉街を流れる川沿いに歩いていくと、川辺に木で囲われた約90℃の源泉が湧き出ている「湯筒」が見えてきます。
「湯筒」では源泉の蒸気を利用して、野菜や卵などを茹でて食べることが出来ます。
「湯筒」を見ながら、橋を渡ると「湯の峰温泉 公衆浴場」の看板が見えてきます。
「つぼ湯」を利用するには湯の峰公衆浴場前の受付横の券売機で入浴券を購入し、受付で渡し、番号札を受け取ります。
番号札と一緒に「世界遺産つぼ湯入浴証明証」がもらえます。入浴の記念になります。
「つぼ湯」は1組最大30分の貸切制で、先着順で利用できます。予約は出来ません。
先客がいる場合は番号札を受け取った後、近くにある待合所等で待つことになります。
「つぼ湯」は受付から坂道を少し上ったところにあります。
建物は小さな湯小屋になっていて、湯小屋の横には「つぼ湯」の看板があります。
湯小屋の入り口に番号札を掛けるところがあり、利用するときに受付で受け取った番号札を掛けます。
順番が来たので、湯小屋の中へ。
中へ入ると施錠することを忘れずに。
中はとても狭く、岩場に湯小屋が立っている感じで、天然岩の岩風呂があるだけです。
着替える場所はすのこが敷かれ、岩棚に脱衣カゴがあります。
岩風呂の前の壁にはちゃんと時計が設置されています。
石鹸やシャンプーなどは使用禁止で、ただ温泉を楽しむ場所です。
世界遺産の温泉へ!
大人2サイズの小さな岩風呂からは、硫黄の香りが漂う温泉が溢れ出て、そのまま川に流れています。
早速、掛湯をして、温泉へ!
足を湯に入れると・・・熱い!熱い!熱い!
体感で45℃以上。
それもそのはず、高温の温泉が空気に触れず、岩風呂の湯底から湧き出ているからです。いわゆる「足元湧出」の温泉です。
たまらず、岩風呂横にあるレバーを引き、水を足します。
改めて、ゆっくりと温泉に体を沈めます。
湯底は玉砂利が敷かれていて、玉砂利の隙間から湯が絶えず湧いているので、少し熱めですが、浸かれなくはありません。
まさしく「つぼ湯」
岩風呂は少し深めで、湯に浸かると、まさに「つぼ」の中に入ったような、あるいは洞窟の中にいるような、岩風呂の中にすっぽり入るような感覚になります。
湯は天候や気温、時間帯によって、色が変わる不思議な温泉で、1日に7度も色が変わると言われています。私が訪れた時は少し青みがかった白色でした。
泉質は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。
肌の角質や毛穴の汚れを取る、いわゆる「美肌の湯」と入浴後の保温効果が高い温泉す。
硫黄の香りが強く、温泉感がとてもあり、温泉成分の濃さが感じられる湯です。
岩風呂を含めた湯小屋は風情があり、泉質の良さもさることながら、世界遺産の温泉に浸かっているという喜びが感じられる貴重な温泉でした。
温泉のおまけ付き!
「つぼ湯」を利用すると、湯の峰温泉公衆浴場の「一般湯」か「薬湯」を無料で利用できます。
湯巡り旅もおすすめ!
「湯の峰温泉」は「川湯温泉」や「渡瀬温泉」と共に熊野本宮温泉郷の一つで、いずれの温泉にも車で30分圏内で行けるので、温泉巡り旅もおすすめです。
交通アクセス
🚙紀勢自動車道・上富田ICから約1時間
🛫南紀白浜空港からバスで約2時間20分
🅿50台(無料)
価格:1650円 |
価格:1030円 |